社会構想大学院大学が怪しいと言われる理由まとめ

社会構想大学院大学

出典:社会構想大学院大学

スポンサーリンク

社会構想大学院大学が怪しいと言われる理由

社会構想大学院大学とは、学校法人先端教育機構が運営する2017年設立の教育機関である。2022年4月より、名前が「社会情報大学院大学」から「社会構想大学院大学」へと変更された。

いったいどんな学校なのだろう。その不透明さが原因となり、怪しいのではないかと疑念を持っている人も多そうだ。

社会構想大学院大学とは?

社会構想大学院大学は社会人を対象にした【日本唯一の広報・情報の専門職大学院】ということで、高度専門職業人の養成に取り組んでいる大学のようだ。

キャンパスは東京、新宿区の高田馬場。社会人を対象にしているとあって、平日夜間と土曜日に授業が開校されている。

オンライン授業も選べるようだ。ちなみに名前の似ている事業構想大学院大学とは運営元を同じくする関係である。

そもそも社会構想大学院大学とは、大学院なのか?

結論からいうと、社会構想大学院大学とは【独立大学院】といって学部をもたない大学である。「大学院大学」というのがまず聞きなれず、疑問を抱くのではないだろうか。

何を学ぶ場所なのか

要は、社会人が【学び直す】場所のようである。学科は〈コミュニケーションデザイン研究科〉〈実務教育研究科〉〈社会構想研究科〉の3つ。具体的に何を学ぶかというと…それがいまひとつピンとこない。

〈コミュニケーションデザイン研究科〉は、「社会と組織と人を繋ぐ、コミュニケーションデザイン領域の高度専門職業人」を養成する。
〈実務教育研究科〉は、これまでの経験や社会に散在する知識を、新たな知の体系へと昇華させ、それを伝達・継承する能力を育む。
〈社会構想研究科〉は、長期的な視野から社会善を追求し、その実現のために社会や組織のグランドデザインを描くことのできる人材や、新たな社会的価値を創出できる人材を養成する。

今一つ何をするかわからないのは筆者だけだろうか。

つまり、コミュニケーション能力を育み、経験を体系化し伝える能力を伸ばし、社会の動向から新たな価値を作ることのできる人材を養成。わかりやすくしてみても、具体性には欠ける。

事業構想大学院大学との違いは?

運営元が同じ事業構想大学院大学は社会構想大学院大学に先んじて、2012年に設立している。新規事業を生み出す人材の育成に力を入れ、2年間で「事業構想修士」という専門職学位が取れるということだ。

それに対して社会構想大学院大学は、学科ごとにそれぞれ広報・情報学修士(専門職)、実務教育学修士(専門職)、社会構想修士(専門職)という学位が与えられる。

同じ社会人を対象にした大学院大学という名の機関で、違いはその名前と取ることのできる学位にあるということはわかった。

そもそも大学院大学で取ることのできる学位とは

大学院大学を卒業して取ることのできる学位は、どういうものなのだろう。

社会構想大学院大学の説明には、

『専門職大学院で取得できる課程は、一般的な大学院で取得できる修士とは名称が異なる、○○学(専門職学位課程)となります。しかし、実態として異なるのは名称のみであり、国内外で修士課程に相当する、または同等の扱いとなります』

という記述が。

これが、本当に同等の扱いなのか少し疑問に思う。大学院大学という名前で人を集め、学校独自の学位と思しきものを授けているだけで、専門学校やセミナーとあまり変わらない可能性もある。

社会構想大学院大学の理事長は、「宣伝会議」の代表取締役を務める東 英弥氏だ。宣伝会議も数多くのセミナーを主催している。同じようなノリで立ち上げたのかもしれないという考えは、穿ち過ぎだろうか。

社会構想大学院大学の学費は?

2年間で330万円。ただし、コミュニケーションデザイン研究科は厚生労働省の教育訓練給付金(専門実践教育訓練)の対象講座に指定されているため最大で112万円が給付される。300万円は大金だが、入学を希望している人は給付金を活用するのも手ではないだろうか。

口コミやレビューの類がほとんど見当たらない。2017年に開校してから2022年度までで157名の修了生を輩出したとのこと。だいぶ少ないという印象を受けた。1年間で30名にも満たない。途中で辞めた人や単位を取り切れなかった人もいるだろうが、そもそも通っている人が少ないのではないだろうか。

社会構想大学院大学のサイトには、学位授与式の写真が掲載されている。アメリカの大学で見るようなアカデミックドレススタイルで帽子を投げている様子だ。通っている方にまったく罪はない。多くの学びを得られたすがすがしい笑顔だった。