電気保安協会の点検は怪しい?原因は電気の安全点検を装う詐欺や窃盗!

電気保安協会

出典:電気保安協会全国連絡会

電気保安協会が怪しいと言われる噂を効いたことがあるでしょうか。これはコロナ渦で家にいることが多くなった高齢者を狙って電気保安協会うやガス会社を名乗る怪しい詐欺・窃盗集団が急増したことにあります。

この他にも昨今高止まりになっている電気代について、なんとか安くしたい!という心理を突いて怪しい詐欺がたくさんでてきているのです。この詐欺に騙されてしまうのは、私たちが電気についての知識が無いということもあります。

では電気保安協会って本当はどんな仕事をしている会社なのでしょう?パッと言われると答えられない方が殆どではないでしょうか。名前から保安はしているのだろうけどどんなことをしているのか・・・?そんな風に思う方が多いと思います。

実は友人に電気保安協会に務めている人がいるのですが・・・意外とその仕事内容は知らなかったりします。そこで電気保安協会についての知識を増やし、電気について騙されないぐらいには学んでみましょう!

にわか知識でも怪しい業者を追い払うには十分。少しでも正しい知識があったら怪しい業者は太刀打ちできません。詐欺や窃盗にはいられないように、怪しい業者をきっぱりと断るための学びの時間を少しいただきたいと思います。

5分ほどの時間もあればもう騙されない!怪しい業者を撃退することが出来るでしょう!

この記事でぜひ自分の安全を守ってくださいね。

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電気保安協会の点検が怪しいと言われるようになってしまった経緯

昨今、『電気の安全点検』を装う詐欺や窃盗が頻繁しています。

悪質な業者が電気の点検を装って訪問し、二人組みできて点検している振りをして片方が住人を引きつけているうちに部屋の中を物色したり、「このまま電気の配線を修理しないと危ない」など脅して工事費を請求するなどのケースがあります。

これに利用されているのが保安協会です。

電気保安協会を装い訪問し、詐欺や強盗が行なわれることが多くおきたため、すっかりと怪しい業者と疑われるようになってしまいました。

この電気保安協会という名前を知っていてもその業務内容となると大体の人がぼやっとしか分からないことに目を付けたわけですね。では、電気保安協会の仕事という物は何なのでしょうか。

全国の電気保安協会は、昭和40年7月1日に施工された電気事業法に則って設立されました。電気保安協会は国から電気設備の調査業務を委託されている指定調査機関です。

電気供給者(電力会社など)には、消費者が使用する電気設備がちゃんと基準に適合しているか調査する義務が国から課せられています。そのため、調査委託をされている電気保安協会は定期的に点検を行なう必要があり、家庭などには4年に一度ほど回ってきて点検を行ないます。

電気保安協会の業務内容は大きく分けて3つあります。

調査業務・・・電線路維持運用者等の委託により、家庭や店舗などにおける低圧電力の設備点検を行う
保安業務・・・契約者からの依頼を受け、低圧電力の設備管理やコンサルティング業務を行う
広報業務・・・気の利用に関する安全知識の普及を図り、パンフレットの配布やPR活動などを行う

この各家庭を回る調査業務の内容が分からないため、目を付けた詐欺師達に利用され、独り暮らしの高齢者を狙った詐欺などをおこし、怪しい業者と思われるようになってしまったのです。

電気保安協会の点検が怪しいと言われる理由

①ブレーカーの取り替えを強要される

保安協会を装った怪しい業者達は点検をしたふりをして、ブレーカーの取り替えを強要してくるケースがあります。

点検した結果ブレーカーが劣化して良くないからすぐに取り替えなければいけない、低圧電力ブレーカーに交換すると電気代が安くなるから交換した方が良いなどといった誘い文句を使うこともあるようです。こういった言葉があればそれは確実に怪しい業者で電気保安協会ではありません。

ブレーカーや電気については詳しく知っている人は少ないですし、このままでは使えなくなるなどの文句を言われてしまうと慌ててしまいつい言う事を真に受けてしまいます。生活に欠かせない電気のことであれば特に心配になり確認しないでお願いしてしまう人が殆どではないでしょうか。

ここで気をつけなければいけないのは、電気保安協会は設備点検を行なう業者ですが、ブレーカーの取り替え工事などは電気工事業者の仕事であり電気保安協会がすることはないことを理解しておくことです。

点検に来た当日に点検費用の請求や取り替え工事を行ない、費用を請求することはありません。電気保安協会の点検は無償で行なうものですので、この点検に費用を請求されることはありませんので費用請求された時点で怪しい業者です。

万が一請求されることがあればその場で支払いは行なわずにすぐに自分の地域の電気保安協会に連絡を入れて業者が本物なのか確認した方がよいでしょう。

また、問題があった場合でその場で修繕工事などをすることはありませんので、修理・修繕費を請求された場合には同じくその場で対応せず、電気保安協会に問い合わせて確認をしてください。

分からないことを良いことに「ブレーカーが使えなくなる」と言った脅しをかけて料金の支払いを請求するといったことがあり、電気保安協会の正規の仕事まで怪しい業者と勘違いされてしまうことがありますので、しっかりと消費者側で見極めることが大切です。

修理が必要な場合にはお願いすれば必要な電気工事の業者を紹介してくれて、後日修理という事になりますので、その場での対応する事はありません。

電気保安協会はあくまで国から指定されている機関ですので、現地でいきなりお金を請求してくることは無いことをしっかりと覚えておきましょう。

②低圧電力ブレーカーへ取り替えを提案される

家庭用の電気にも関わらず、「低圧電力用ブレーカーに取り替えをする」や「料金を安くするために低圧電力に切り替える」という言葉を言う人もほぼ怪しい業者確定です。

『低圧電力』が何か知っている人自体少ないと思いますが、家庭用の電気の契約は通常、従量電灯と書かれており、これは家庭用の低圧電力というものです。低圧電力ブレーカー以外は「高圧電力」になりますので、大きな工場で無い限り付いているわけがないので、これが付いていることはあり得ません。

もう一つの低圧電力は動圧という業務用のものがあります。

これは業務用機器にある「3つ穴」、「4つ穴」タイプのコンセントを使用する場合に有効な形式で、もし業務用の低圧電力に交換するというのならブレーカーの交換だけで終わらず、三相200Vの供給電圧に合わせた配線の引き込み工事が必要となりますし、一般家庭では低圧電力で使う三相200Vの配線に元々対応していることはほとんどないので、個人の家庭に動力へのブレーカーの交換をすすめる業者であれば、ほぼ怪しい業者確定で見て良いでしょう。

よっぽど趣味で溶接機などの業務用機材を使用するなら別かもしれませんが・・・一般家庭には必要無いばかりでなく、節約のためにと個人で勝手に変圧をして家庭用で使用している場合には契約違反になるケースもありますので、電気保安協会の人が進んで勧めてくることはありません。

この工事はその場で出来る電気工事ではありませんので、「低圧電力ブレーカーの交換で電気代が安くなる」ことは一般家庭ではありません。

「いきなり料金が安くなる話しをする」人たちは怪しい詐欺業者ですので、おかしな話を始めたらお金はすぐに払わずに、工事は他の業者にやって貰うことにして、料金の話は使用している電力会社か電気保安協会に直接電話をして問い合わせ、その場での即決はしないことが大切です。

また、この料金が安くなるという話しで、電気料金や検針票などを見せるように言われることもあるようですが、それを利用して脅しをかけてくるケースもあるようですので、情報源になる物は見せないことが大切です。

③二人組以上できて点検を行なう

電気保安協会が点検に来る前には必ず通知が入ります。大体はポストにいつの何時頃来ますというお知らせを置いていっており、都合の悪い場合にはこちらに連絡くださいと言ったものが来ます。

いきなり来て当日に点検することはないですし、家の中の点検は嫌であれば断れますし、個人家庭に来るのは大抵一人で来ます。電気保安協会の制服と帽子(若しくはヘルメット)で来て、名札もしっかりと付けてきています。

これが個人宅に二人以上でいきなり訪問してきた場合には、窃盗目的と疑いをかけた方が良いでしょう。

そもそも、電気保安協会の個人への点検は1人で回っている地域が多いです。保安協会に2人以上で回るほど職員がいないこともそうですが、点検の内容は至って簡単で分電盤や計量器を測定し漏電していないか確認するだけなので10分程度で終わります。

あまり2名で行動することはありませんので、2名以上で来たこの時点でかなり怪しいです。

この窃盗のパターンは電気保安協会を装った業者風の人が二人以上でいきなり来て、一人が住人に話をして引きつけている間にもう一人が家の中を物色します。

こういったことを避けるためには、まずは点検の連絡がポストに入っているかの確認をすること。来た検査員がしっかりと保安協会の名前の入った制服着用しており帽子(若しくはヘルメット)を付けていることと名札を確認する事が大切です。

また、少しでも不審さを感じたら家の中には入れないこと。電気保安協会の点検は外だけの点検でも大丈夫ですので無理矢理家に入ることはなく、断ればしつこく食い下がることはありません。家の中を見せるように食い下がってくる場合には怪しいと思って家に入れないことが大切です。

家の中の点検は分電盤を見ることと水周りのコンセントの確認程度ですぐに終わりますので、業者が1人で来ている場合であっても気になる場合には一緒について確認してみてもいいでしょう。

電気保安協会の制服の作業着にはしっかりと電気保安協会の名前が入っており、ただの作業着の場合は電気保安協会ではありませんので騙されないように注意をしてください。

また、留守の際には外のメーター付近の漏電点検をしてポストに投函していってくれるので、必ずしもその日のその時間にいなければ検査が受けられないわけではありません。

④非通知の勧誘電話がかかってくる

『保安協会コールセンター』を名乗る会社から非通知で、怪しい電話が色々な個人の会社にかかってきて勧誘をするケースもあります。

会社事務所や商店、工場などや幼稚園・保育園などの事業をしている人を相手に「動力設備の契約内容確認」による「省エネ機器の取り付け」などを勧誘してきます。

この保安協会コールセンターは電気保安協会の会社ではなく怪しい会社です。一般的な会社からの電話が非通知でかかってくることはありませんので、その時点で怪しい会社であることは間違いないですね。

動力の低圧電力への変更を検討している場合にはこういった営業の電話ではなく、電気保安協会や各地の電力会社に直接相談して交換をすることが安全策です。

怪しい勧誘の電話で契約すると契約金だけ取られる・適正ではない適当なブレーカーを付けていくといった詐欺もありますので、注意した方が良いでしょう。怪しい業者からの勧誘の電話には乗らないでまずは信頼の置ける会社に相談してみることが大切です。

⑤電気保安協会を語る詐欺

似たような名前の保安協会を語り、電話をかけてくる詐欺グループもあります。

電気保安協会の訪問の問い合わせや不在時の検査の結果はポストに投函されますので直接個人や会社に電話をかけてくるとはありません。個人や会社に電話をかけてきて漏電の恐れがあるや老朽化のため修理しますという電話は怪しい業者に他なりません。

皆さんは自分の住んでいる地域の電気保安協会の名前が分かりますか?自分の地域の電気保安協会の名前はしっかりと覚えておき、怪しい詐欺業者には騙されないように気をつけていきましょう。

日本国内の電気保安協会は10ヶ所ありますので、該当地域を覚えておくと良いでしょう。

  • 北海道電気保安協会
  • 東北電気保安協会
  • 関東電気保安協会
  • 中部電気保安協会
  • 北陸電気保安協会
  • 関西電気保安協会
  • 中国電気保安協会
  • 四国電気保安協会
  • 九州電気保安協会
  • 沖縄電気保安協会

大きな区切りにはなっていますがさらに各地に電気保安協会の支所が置いてあります。所在地は自分の地域の電気保安協会を調べると細かく出てきます。

「○○保安協会」などよく似た名前でも営業電話があるようですが電気保安協会は営業の電話はしていませんので怪しい業者の電話には気をつけてください。

⑥毎月の点検に来る?

一般家庭の低圧電力ではなく高圧電力などの自家用電気工作物をもつ業者になると、その使用電設備容量によっては毎月の点検を契約しなければならない義務が生じることもあります。

この点検を外部委託承認制度というもので電気保安協会が請け負っていることが多くあります。そのことが会社経営者からは無駄な出費なのではと毎月の点検自体を怪しむ声も聞かれています。

自家用電気工作物とは「電気事業の用に供する電気工作物および一般用電気工作物以外の電気工作物」と定義されているもの。この中に含まれる高圧電力は電力会社等から600Ⅴを超える電圧で受電して電気を使用する施設(工場、事務所ビル、学校、病院、ホテル、スポーツ施設、娯楽施設など)で使用しています。

自家用電気工作物は契約が低圧電力でも小出力発電設備以外の発電設備を持っている施設も対象。構内以外の場所にある電気工作物に電線路を引いている施設や、爆発や引火の危険性がある火薬工場と炭鉱も点検の対象になります。

自家用電気工作物を設置する場合は、従業員の中から電気主任技術者を選任して保守管理を行わなければならないことと義務づけられており、国の定める一定の要件を満たした電気保安法人もしくは個人と保安管理業務に関する契約をすれば、保守管理業務の外部委託を行うことができるとされているため、電気保安協会へ委託する会社が多くあります。

この点検頻度については契約の電気も使用量で回数や時期も決められています。原則、毎月1回は点検を行なうこととされており、漏電状況を24時間監視する絶縁監視装置を取り付けた場合は隔月1回以上、設備の規模や条件によっては隔月1回~6ヵ月1回と設備によっても適正な点検回数は変わってきます。

この契約金ついて一覧でみられるサイトは見つかりませんでしたので、ざっくりと延べられているところによると64KVA以下であれば点検頻度は3ヶ月に1回で、金額は5~6,000円くらいからある用です。

それより電圧が大きい場合には1ヶ月に1回で100KVAで1万~1万5,000円、1000KVAで4~5万円、2000KVAで10万円くらいが目安のようですね。確かに言いお値段はするようですが、従業員の中から保守管理者を出すのは資格や実務経験など色々とクリアしなければならないことも多く、外部委託承認制度を活用する方が良いですね。

認証を受けていれば電気保安協会に頼まなくても良いようですが、だからといって安い営業所に頼むのは余り安心できることではないようで、怪しい会社に騙されないように勧告されています。

資格や承認を本当は受けていないのに名乗っている会社や、実際に経験が殆ど無いなど怪しい会社もあるようです。電気は危険性が高いものなので信頼の置ける会社に頼む方が良いです。

そう考えるとやはり国からの委託業務を承っている業者であれば安心してできますね。

電気保安協会の点検は怪しい?まとめ

電気保安協会自体には怪しいと疑う要素はありません。

しかし国からの委託業務を請け負っていることや全国展開しているメジャーな会社であることが怪しい会社達には名前を勝手に借りることの格好のターゲットとなっていることと考えられます。

生活に欠かせない電気ではありますが、私たちは身近にありすぎて当り前のものであり大きく注意を払わないため、自分がどんなものを使用しているのか分からなくても受け入れていることが怪しい奴らにとっては絶好の詐欺のチャンスとなっていしまっているようです。

高くなった電気代を少しでも安くしたいという切実な想いも怪しい業者達に利用され、お金をだまし取られたりといったことがあったりと、そんな話を聞くと電気保安協会からのお知らせの全てが怪しいのではないかと疑いを持ってしまいます。

実際に怪しいのは詐欺や窃盗を行なう詐欺業者であり、電気保安協会自体には怪しいところはありません。怪しい奴らに騙されないためには、しっかりと自己防衛が必要になります。電気保安協会への正しい知識と自分が普段使っている電気が何であるのかしっかりと理解した上で防衛手段をしっかりと身につけることが必要です。

また、電気は大切でありとても危険な物です。しっかりと義務に応じた保守点検をうけて、安全に暮らしていきましょう。

電気保安協会のことや電気そのものの知識は、電気を安全に使うためにも怪しい業者に騙されないためにも必要なこと。怪しい勧誘の電話にもきっぱりと答えて安心安全な暮らしをしていきましょう。